知能素子技術グループの研究紹介
知能素子の開発を脳型情報処理システムのソフトウェア,ハードウェア両面からのモデル化,多量な情報を記憶する高密度記録,使用する際の耐環境性の3つの面から研究を進めています。
脳型情報処理システムのモデル化
我々は,人間の脳のような柔軟な発想をもった脳型情報処理システムを構築するために,生体のニューロンでみられる,非同期,パルス,カオスなどの特徴を有する知能素子の開発を行っている。このシステムは,従来のソフトウェアとしてのプログラムは必要とせず,パルスのタイミングにより,学習・記憶を行っていくもので,これまでの人工知能とは一線を画するものである。素子の基本は,我々が提案しているパルス形ニューロンモデルを用い,シナプス部は生理学的研究結果を基にシナプス荷重が変化する回路構成としている。この回路をハードウェアで構成する場合はCMOSにより構成でき,現在,VDECを通してIC化を行っている。
研究者: 佐伯勝敏(電子工学科)
光アシスト磁気記録方式確立のための微細構造制御
本研究は、次世代磁気記録方式として有望な "光アシスト磁気記録 " に関する研究であり、現行の磁気記録方式では到達できない 1 Tbit/inch2 以上の高い記録密度を実現するものである。本記録方式の実現には、局所領域を光加熱可能な記録装置の構築及び熱安定性の高い磁気記録媒体の開発が必須である。我々は、近接場光高効率発生アンテナの設計、プラズモンアンテナを有する記録ヘッドの作製、及び光アシスト磁気記録システムの構築といった記録の観点と、微小磁区の安定性、ナノテンプレート形成法、磁性孤立微粒子の作製法及び磁気特性制御といった媒体の観点からそれぞれ検討を行うことにより、高記録密度化の実現を目指している。
研究者: 中川活二、塚本新(電子工学科)
耐放射線性半導体デバイスに関する研究
宇宙環境や原子炉環境など,放射線環境下で半導体デバイスを使用する場合,重イオンなど高速荷電粒子の照射により誘起される電荷の電極による収集や絶縁膜中での捕獲により,デバイスの誤動作や特性劣化が生じることが知られている.また近年の半導体素子微細化に伴い,地上に到達した中性子による誤動作も問題となりつつあり,耐放射線性の向上が求められている。
本研究では,耐放射線性に優れた半導体デバイスの実現を目指し,放射線照射により生ずる誤動作および劣化メカニズムの解明を行っている.現在は,SOIデバイス,化合物半導体トランジスタ,発光ダイオードの放射線照射効果について検討を行っている。
研究者: 高橋芳浩(電子工学科)
炎センサーおよび高出力紫外線レーザーの開発に向けたダイヤモンドの光電子物性の研究
ダイヤモンドは、シリコン以上の電気的性質をもちながら、極めて優れた熱的性質をもつ耐熱電子デバイス材料である。中でも、CVDダイヤモンド薄膜は不純物が少ないことから、電気的性質が特に優れており、これを使用した炎デバイス、高出力紫外線レーザーの開発が期待されている。しかし、5.5 eVの広いバンドギャップ、また真空準位と同じレベルの伝導帯など、デバイス開発において考慮されなければならないユニークな問題がダイヤモンドにはある。これはダイヤモンドの基礎物性の研究が重要であることを示している。われわれはCVDダイヤモンド薄膜と�a 高品質人工合成ダイヤモンドを使用し、
(1)光伝導、(2)光キャリアのホール効果、(3)高密度電子正孔状態 の研究を行っている。
研究者: 村山和郎(文理学部)